(具体的な社名を書くと宣伝になってしまうおそれがあるので、控えたうえで経験にもとずいた話を書かせていただきます)
ASEANや南米を中心とした理系トップ大学と提携して、無償でITと日本語の教育を行っています。現在12の大学で2800名を超える学生が受講をしています。
AIのカリキュラムもあり日本の企業へ就職を望む学生と海外の新卒エンジニアを採用したい企業のマッチング支援をし、そこで得た収益で授業の運営を行っています。これまで1000人を超える学生が日本の企業へ就職をしております。
もともとJICAが行っていた取り組みを、民間企業として継承、拡張していったものですが、学生に成長の機会を提供し、日本に呼び込む取り組みは、伸びしろがあると感じています。
海外の学生に東京、日本の魅力づけをする取り組みとして、以下のようなものが考えられると思います。
1. 海外大学と日本の学生でAIハッカソンの実施
(過去に実施したことがありますが盛り上がりました)
2. 著名な方をゲスト講師として招く
(安野さんのような知名度のある方に講演していただくことで 日本の魅力を体感する機会にもつながります)
3. 特に優秀な学生を国費留学として招き、日本を直接体験してもらう
(実際に日本で暮らし、学ぶことで東京や日本の文化に深く触れることができ、卒業後の日本就職を考えるきっかけになります)
実際に学生と話すと、日本の漫画や秋葉原がいかに優秀な学生を日本に呼び込むために貢献しているかがわかります。また、スタートアップやテクノロジーの社会実装に興味を持つ学生も少なくありません。うまく巻き込めれば、日本のイノベーションを支える存在になるだろうと思います。
日本が海外の学生にとって魅力的でいられる時間は限られているとも感じます。アジア諸国の急速な経済成長に伴い、優秀な学生は欧米企業からも注目を集めています。地域によっては数年前の倍の給与水準になっているケースもあり、円安と日本経済の停滞が続く状況では、今後日本企業が優秀な学生を採用することはさらに厳しくなると予測されます。
限られた時間のなかで、何をすべきでしょうか。
たとえばLinkedInをみると、「東京にいるAIエンジニア」でかつ「日本語以外の言語を登録している」ユーザーは約2,400人います。
彼らは誰よりもAIエンジニアにとって東京のどこが魅力かを話せるはずです。そして東京の魅力を海外に向けて発信できるインフルエンサーになり得るポテンシャルをもっています。
海外の優秀な学生を呼び込み続けるためには、彼らの声に耳を傾けながら、今ある魅力を再確認しつつ、足りない部分を補っていく。そうした取り組みが、これからの日本企業と学生にとって、より良い未来につながる糸口になるのではないかと思います。